Santiago, Sasha L., Lisa M. Freeman, and John E. Rush.
"Cardiac cachexia in cats with congestive heart failure: Prevalence and clinical, laboratory, and survival findings." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 34.1 (2020): 35-44.

PubMedリンク PMID:31837182
本文:無料公開あり(全文

タイトル:うっ血性心不全のある猫における心臓性悪液質;有病率、臨床所見、検査所見、生存

==アブストラクト=== 
背景:心臓性悪液質は、うっ血性心不全のある人と犬で一般的である。しかし猫における心臓性悪液質は有病率と影響については不明である。

目的:うっ血性心不全のある猫における悪液質の有病率と、臨床的、検査的、および生存に関するデータとの関連についてを調べること。

動物:うっ血性心不全のある猫120頭。

方法:40ヶ月の間に評価された猫の医療記録を回顧的に再調査し、7つの異なる定義を使用して心臓性悪液質の猫を同定した。臨床的、検査的、および生存に関するデータを、悪液質がある猫とない猫との間で比較した。 

結果
:悪液質の有病率は、7つの定義によって0〜66.7%の範囲であり、マッスルコンディションスコア(MCS)を用いた場合の有病率は41.6%であった。MCSによって決定した悪液質がある猫は、高齢であり(p<0.001)、胸水があることが多く(p=0.003)、血中尿窒素(p<0.001)と好中球数(p=0.01)が有意に高く、 ボディコンディションスコア(p<0.001)、体重(p<0.001)、ヘマトクリット値(p=0.007)、ヘモグロビン濃度(p=0.009)が有意に低かった。MCSによって決定した悪液質がある猫の生存期間は、悪液質のない猫よりも有意に短かった(p=0.03)。体重不足の猫(p=0.002)と拡張型心筋症(DCM)のある猫もまた生存期間が短かった(p=0.04)。

結論と臨床的意義
:悪液質と生存期間の短縮との関係は、うっ血性心不全のある猫におけるこの一般的な問題について、特定して対処することの重要性を強調している。