Xenoulis, P. G., et al.
"Feline exocrine pancreatic insufficiency: a retrospective study of 150 cases." 
Journal of veterinary internal medicine 30.6 (2016): 1790-1797.

PubMedリンク PMID:27641602
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タイトル
:猫の膵外分泌不全;150症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
背景
:膵外分泌不全の猫の臨床所見と治療への反応について利用できる情報はほとんどない。

目的
:膵外分泌不全のある猫のシグナルメント、臨床徴候、併発疾患、およぶ治療への反応を記述すること。

方法
:回顧的症例シリーズ。

結果
:獣医師261人にアンケートを送り、150人(57%)から統計的解析に適したデータが返ってきた。膵外分泌不全の猫の年齢の中央値は7.7歳齢であった。ボディコンディションスコアの中央値は3/9であった。119頭中92頭(77%)で低コバラミン血症があり、56/119頭(47%)で血清葉酸濃度の上昇、6/119頭(5%)で血清葉酸濃度が減少していた。臨床徴候として、体重減少(91%)、形のない糞便(62%)、被毛粗造(50%)、食欲低下(45%)、食欲増進(42%)、元気消失(40%)、水様下痢(28%)、および嘔吐(19%)がみられた。87頭(58%)で併発疾患が存在した。治療への反応は、121頭中、良好が60%、部分的が27%、不良が13%であった。トリプシン様免疫反応<4μg/lが治療への反応陽性と関連した(オッズ比 3.2;95%信頼区間 1.5-7.0;p=0.04)。コバラミンの補給も治療への反応を改善した(オッズ比 3.0;95%信頼区間 1.4-6.6;p=0.006)。

結論と臨床的重要性
:猫における膵外分泌不全、犬とは異なる臨床徴候をしばしば示す。猫の膵外分泌不全の年齢の範囲は広く、多くの猫が5歳以下となり得る。多くの猫は膵外分泌不全の適切な治療によく反応し、コバラミンの呼吸は良好な反応のために必要なようである。