Breheny, Craig R., et al.
"Esophageal feeding tube placement and the associated complications in 248 cats." 
Journal of veterinary internal medicine 33.3 (2019): 1306-1314.

PubMedリンク PMID:31001901
本文:無料公開あり(全文

タイトル:食道フィーディングチューブの設置とそれに関連した合併症 猫248頭

==アブストラクト=== 
背景:食道フィーディングチューブは猫の経腸栄養のために一般に用いられているが、その使用には有害事象が伴う。

目的:猫における食道チューブ設置に関連した合併症を評価し、これらの合併症の素因を同定すること。

動物:食道フィーディングチューブを設置した猫(n=248)。

方法:これは回顧的な症例レビューであり、2つの紹介病院の医療記録を詮索して食道チューブを設置した猫の記録を同定した。臨床データを収集し、シグナルメント、臨床適応、設置方法、除去までの時間、および合併症について記録した。ロジスティック回帰を使用し、感染や死亡を含む合併症の増加のオッズを評価した。

結果
:生存退院した猫において、チューブは中央値で11日間(範囲1-93日)設置していた。35.8%の猫で合併症が起こり、最も多かったのはチューブの脱落(14.5%)であり、次いで瘻孔部分の感染(12.1%)であった。 グルココルチコイドまたは抗がん剤の投与を受けていた猫(オッズ比3.91;95%信頼区間 1.14-13.44)と瘻孔からの分泌物がある猫(オッズ比159.8;95%信頼区間 18.9-1351)は、瘻孔感染の発症のオッズが増加し、一方、体重の低さ(オッズ比1.33;95%信頼区間 1.02-1.75)または膵臓疾患(オッズ比4.33;95%信頼区間 1.02-18.47)、腫瘍性疾患(オッズ比15.44;95%信頼区間 3.67-65.07)、呼吸器疾患(オッズ比19.66;95%信頼区間 2.81-137.48)、泌尿生殖器疾患(オッズ比5.78;95%信頼区間 1.15-28.99)、感染性疾患(オッズ比11.57;95%信頼区間 2.27-58.94)は死亡のオッズ比が増加した。チューブを設置していた期間とチューブを設置したままの退院は、感染または死亡のリスクの増加と関連しなかった。

結論と臨床的意義
:飼い主には、関連する潜在的リスクと素因について知らせるべきである。