Palmer, K. G., L. G. King, and TJ Winkle Van.
"Clinical manifestations and associated disease syndromes in dogs with cranial vena cava thrombosis: 17 cases (1989-1996)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 213.2 (1998): 220-224.

PubMedリンク PMID:9676591
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タイトル:前大静脈血栓症のある犬における臨床徴候と関連疾患;17症例(1989-1996)

==アブストラクト=== 
目的:犬の前大静脈血栓症について、シグナルメント、臨床徴候、潜在的な誘発要因、治療および転帰についての特徴を調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:前大静脈血栓症のある犬17頭。

方法:医療記録と剖検記録を再調査し、シグナルメント、血栓形成の潜在的な要因、診断、臨床病理学的所見、治療、および転帰について調べた。

結果:シグナルメントの素因については見出されなかった。10頭は前大静脈症候群を示しており、10頭で胸水がみられた。10頭は呼吸困難であり、5頭は頚静脈の血栓が触知可能であった。素因となる病態として、免疫介在性溶血性貧血の疑いとコルチコステロイドの投与(6頭)、敗血症(6頭)、蛋白漏出性腎症(2頭)、腫瘍(2頭)、および心疾患(1頭)が同定された。中心静脈カテーテルは原因として関連していると考えられた。血小板減少症は最も多く一致した臨床病理所見であり、超音波検査は診断の確定に役立った。 治療は様々だったが、17頭中15頭が血栓の臨床徴候から20日以内に死亡もしくは安楽死となった。 剖検では、血栓はほかの組織にもみつかり、主に右心房、頚静脈、肺動脈でみられた。

 臨床的重要性
:臨床徴候のある前大静脈血栓症の犬の予後は不良である。中心静脈カテーテルは、免疫介在性疾患、敗血症、蛋白漏出性腎症、腫瘍、心疾患などの素因となる疾患のある犬では避けるべきである。