Djajadiningrat-Laanen, Sylvia C., Sara Galac, and Hans Kooistra.
"Primary hyperaldosteronism: expanding the diagnostic net." 
Journal of feline medicine and surgery 13.9 (2011): 641-650.

PubMedリンク PMID:21872791
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:原発性高アルドステロン症;診断ネットの拡大

==アブストラクト=== 
臨床的関連:原発性高アルドステロン症は、おそらく猫の最も一般的な副腎皮質障害である。ヒトと同じように、しばしば認識されず、潜在的に多くの猫が適切な治療から外れてしまう。

患者集団:罹患した猫は、来院時の年齢の中央値が13歳齢(範囲5-20)であった。品種または性別の傾向はみられなかった。ミネラルコルチコイドの過剰分泌は通常、低カリウム血症および/または全身性動脈高血圧症を招く。多くの罹患猫は、筋虚弱および/または動脈高血圧による眼徴候で来院する。

診断:低カリウム血症および/または動脈高血圧症で来院したいずれの猫においても、他の可能性のある原因について除外する必要がある。血清アルドステロン濃度と血清レニン活性の比(アルドステロン/レニン比)は、猫の原発性高アルドステロン血症のスクリーニング検査として現在もっとも優れている。画像診断は副腎皮質腫瘍と両側性過形成の鑑別と、遠隔転移の検出のために必要である。

臨床課題:副腎皮質腫瘍と両側性過形成との鑑別が、最適な治療をするために不可欠であるが、画像診断の感度が限定的であるために時に問題を引き起こす。確認された片側性の原発性高アルドステロン血症では、片側の副腎摘出術が治療の選択となり、しばしば予後は非常に良いが、術中および術後の出血の可能性は合併症として報告されており、リスク因子はこれまで同定されていない。

エビデンスベース
: ネコ原発性高アルドステロン症の理想的な診断と治療アプローチの基礎については、少数の症例報告しか利用できない。この記事はアルドステロンの産生の生理と原発性高アルドステロン症の病態生理についてのレビューであり、猫のこの疾患について現在利用できる文献を要約している。原発性アルドステロン症を疑う猫の診断調査について臨床的な提案をしている。