Norris, Carol R., et al.
"Comparison of results of thoracic radiography, cytologic evaluation of bronchoalveolar lavage fluid, and histologic evaluation of lung specimens in dogs with respiratory tract disease: 16 cases (1996–2000)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 218.9 (2001): 1456-1461.

PubMedリンク PMID:11345310
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タイトル:呼吸器疾患のある犬の胸部レントゲンの結果、気管支肺胞洗浄液の細胞学的評価、および肺標本の組織学的評価の比較;16症例(1996-2000)

==アブストラクト===
目的
呼吸器疾患のある犬の胸部レントゲンの結果、気管支肺胞洗浄(BAL)液の細胞学的評価、および生検および剖検標本の組織学的評価を比較し、組織学的評価が他の方法では達成できない重要な診断情報を提供するかどうかを調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:犬16頭。 

方法:気管支肺胞洗浄液は、正常、好中球性、好酸球性、単核性、混合性、腫瘍性または非診断性に分類した。レントゲンの異常は、間質性、気管支性、気管支間質性、または肺胞性に分類した。組織学的病変は、炎症性、線維性、または腫瘍性に分類し、組織学的病変の主要な部位を肺胞、間質、または気道に分類した。

結果:8頭の犬で、主要なレントゲンの病変部位が組織学的な部位と相関していた。組織学的に炎症所見があった犬11等中、8頭で炎症性の気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に腫瘍の所見があった犬2頭中、1頭では気管支肺胞洗浄液によって腫瘍が示唆され、もう1頭は細菌性化膿性炎症と一致する気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に異常のなかった2頭では、単核性または非診断性の気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に線維性の所見のある2頭では、単核性または混合炎症性の気管支肺胞洗浄液であった。

結論と臨床的意義
:この結果は、胸部レントゲン、気管支肺胞洗浄液の細胞的評価、および肺標本の組織学的評価は補完的であるが、それぞれの方法は呼吸器疾患のある犬における原因となる疾患病態をどれだけうまく反映できるかという点に関して制限があることを示唆している。レントゲンおよび細胞診で非診断的な結果となった場合の症例では、肺生検を考慮すべきである。