Gremillion, Christine L., Mason Savage, and Eli B. Cohen.
"Radiographic findings and clinical factors in dogs with surgically confirmed or presumed colonic torsion."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 59.3 (2018): 272-278.

PubMedリンク PMID:29363214
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タイトル
:外科的に確認または疑われた結腸捻転の犬におけるレントゲン所見と臨床的因子

==アブストラクト=== 
犬の結腸捻転は命を脅かす病態であり、この病態についてのレントゲン所見はあまり記述されていない。この回顧的症例シリーズの目的は、結腸捻転の犬の集団におけるレントゲン所見と臨床徴候を記述することである。

組み入れ基準は、2006年から2016年の間に来院し、腹部のレントゲン撮影しており、 外科的に結腸捻転が確定または疑われた犬とした。それぞれの犬で、医療記録から臨床情報を記録し、単純レントゲンとバリウム注腸造影による陽性造影レントゲン検査をもとに画像所見を記録した。14頭の犬が組み入れ基準を満たした。そのうち、9頭のインは手術で結腸捻転が確定し、5頭は手術により結腸のうっ血と腸間膜の捻転を確認した。レントゲン所見には、結腸の分節的な拡張(14/14)、結腸の限局的な狭窄(11/14)、盲腸の変位(11/14)、下行結腸の変位(14/14)、および軽度の小腸の拡張(14/14)がみられた。バリウム注腸検査を行った犬では、結腸の限局的な狭窄と
螺旋パターンの中に縦断的なスジ状が確認され、“捻転徴候”と呼んだ。嘔吐は臨床徴候として最も多くみられ(12/14)、ついで腹部痛(8/14)が多かった。重度の腹部痛と循環血液量減少性ショックは、この報告の中ではまれだった(3/14)。

レントゲンで下行結腸と盲腸の変位を伴う分節的な結腸の拡張のある犬では、結腸捻転を鑑別診断として考慮すべきである。バリウムの注腸検査はさらなる診断の確定のために推奨される。