Von Pfeil, Dirsko JF, et al.
"Congenital laryngeal paralysis in Alaskan Huskies: 25 cases (2009–2014)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 253.8 (2018): 1057-1065.

PubMedリンク PMID:30272513
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:アラスカン・マラミュートにおける先天性喉頭麻痺;25症例(2009-2014年)

==アブストラクト=== 
目的:アラスカン・マラミュートの先天性喉頭麻痺の特徴を調べること。

デザイン:前向き症例シリーズ。

動物:先天性喉頭麻痺のあるアラスカン・マラミュート25頭。

方法:それぞれの犬のシグナルメント、病歴、身体検査、整形外科的検査、神経学的検査、および喉頭検査の結果、食道所見、治療、組織学的所見、および転帰についての情報を収集した。

結果:重度に罹患した犬では、出生児から重い呼吸困難、または短時間の運動後の虚脱がみられた。軽度な犬では、易疲労性または最小限の運動での加熱がみられた。臨床徴候の最初の発症の平均年齢は6.4ヶ月であった。青い目が23頭(92%)、白い顔のマーキングが19頭(76%)、口腔粘膜垂または組織バンドが13頭(52%)の犬でみられた。神経学的検査では、反回喉頭神経の単独のニューロパチーの徴候が明らかとなり、多発性ニューロパチーはみられなかった。組織学的検査では、輪状披裂筋の背筋の神経原性萎縮が明らかとなったが、多発性ニューロパチーはみられなかった。8頭(32%)で、片側輪状披裂の側方化術が行われ、実質的な臨床的改善がみられた、それには犬そりレースでの競争能力も含まれた。手術なしで、4頭(16%)が窒息で死亡し、10頭(40%)は自然な改善(ただしレースには不十分な改善)がみられ、3頭(12%)は罹患したままとなった。血統分析の結果から、先天性喉頭麻痺の遺伝の常染色体性劣性遺伝モードが示唆され、浸透率は様々であった。

結論と臨床的意義
:評価をうけたアラスカン・マラミュートにおける先天性喉頭麻痺は、反回喉頭神経の単一ニューロパチーに関連しており、多発性ニューロパチーは関連していなかった。罹患したの犬の多くで青い目、白い顔のマーキング、および口腔粘膜垂または組織バンドがみられた。この犬種における先天性喉頭麻痺には明らかな遺伝的要素があるため、これらの特徴をもつ犬の繁殖を防ぐことを勧める。