Dolera, Mario, et al. 
"Hydrated nucleus pulposus extrusion in dogs: correlation of magnetic resonance imaging and microsurgical findings."
 Acta Veterinaria Scandinavica 57.1 (2015): 58.
 
PubMedリンク PMID:26407812  
 
本文:無料公開あり(全文
 
タイトル:犬の水和髄核脱出;MRIと顕微鏡手術所見の相関

==アブストラクト=== 
背景:犬の頚部水和髄核脱出のMRIパターンはいくつかの報告で述べられているが、顕微鏡手術とMRIの特徴の相関については調べられていない。この研究の目的は、水和髄核脱出のMRIの特徴と顕微鏡手術所見および細胞学的結果を比較し、 疾患の解剖学的および病理生理学的な側面を調べることである。

方法
水和髄核脱出に罹患した36頭の犬の前向き臨床研究を行った。高磁場MRIによる、椎間板背側に隣接し、T2強調像で高信号、T1強調像で低信号を特徴とする腹側硬膜外病変の所見に基づいて診断は行われた。MRI画像は、関与する椎間板腔、脊髄圧迫の程度、物質の信号強度とその分布、および関与した椎間板腔の厚みと信号強度、について解析された。すべての患者に顕微鏡手術による減圧が行われ、直接的な観察が記録され、手術手技の画像が分析された。

結果: 患者の多くは臨床徴候が急性発症し(78&)、75%の犬は痛みの徴候を示さず、神経学的障害は四肢不全麻痺(33%)から四肢麻痺(28%)まで様々であった。椎間板物質の押し出し部位は、背側縦靭帯に対して腹側であり、背側縦靭帯は圧迫部位で無傷の背側に持ち上げられているようだった。水和髄核脱出の直接的な顕微鏡手術の観察では、背側縦靭帯の腹側から線維内に回収された逸脱物質が示された。粘稠度は、ゼラチン状42%、水様33%、塊状の液体25%、であった。細胞学的サンプルでは、炎症、細菌、腫瘍細胞、または異物などの存在は示されなかった。

結論
:水和髄核脱出の顕微鏡手術の特徴から、押し出された椎間板は背側縦靭帯の線維内から回収され、これはこの疾患のMRIの所見と説明する可能性があることが示唆された。明らかな外傷なしに頚部椎間板突出がなぜ起こるのかについて調査するために。さらなる病理生理学的研究が必要である。