Mikiewicz, M., et al.
"Canine and Feline Oral Cavity Tumours and Tumour-like Lesions: a Retrospective Study of 486 Cases (2015–2017)." 
Journal of comparative pathology 172 (2019): 80-87.

PubMedリンク PMID:31690420
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タイトル
犬と猫の口腔の腫瘍および腫瘍様病変;486症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
口腔の腫瘍および腫瘍様病変は犬と猫で一般的であり、それらの診断と分類には病理組織学的検査が必要となる。この研究の目的は犬と猫の口腔内病変を回顧的に分析し、炎症、過形成、および腫瘍の分布を評価することである。

2015年から2017年の間に日常的に診断された全部で486の口腔の腫瘍および腫瘍様病変(犬340、猫146)が 含まれた。病変は炎症性、過形成性、または腫瘍性(良性および悪性)に分類された。病理組織学的診断はHE染色をもとに行われ、必要に応じてメイグリュンワルドギムザ染色(肥満細胞腫に対して)、フォンタナ・マッソン染色(メラノーマに対して)、または免疫組織化学(CD3、CD79α、S100マーカー、に対して)が行われた。犬では病変の29.11%(99/340)が良性腫瘍、24.12%(82/340)が過形成病変、14.7%(50/340)が炎症性病変であった。猫では4.79%(7/146)が良性腫瘍、15.07%(22/146)が過形成病変、57.53%(84/146)が炎症性病変であった。さらに、犬の23.4%(79/340)が歯肉過形成と診断され、19.12%(65/340)が周辺性歯原性線維腫と診断されたのに対して、猫の43.84%(64/146)は慢性リンパ形質細胞性口内炎と診断された。悪性腫瘍は犬の32.06%(109/340)と猫の21.91%(32/146)を占め、犬では高グレードのメラノーマ、猫では扁平上皮癌が最も多かった。