Ruby, Jennifer, Scott Secrest, and Ajay Sharma.
"Radiographic differentiation of mediastinal versus pulmonary masses in dogs and cats can be challenging."
Veterinary Radiology & Ultrasound(2020).

PubMedリンク PMID:32400045
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫の縦隔腫瘤と肺腫瘤のレントゲンでの鑑別は困難かもしれない

==アブストラクト=== 
縦隔および肺を起源とする胸部腫瘤の鑑別能力は、その複雑な空間的関係によってしばしば混乱を招く。この回顧的観察横断研究の目的は、レントゲンによる縦隔腫瘤と肺腫瘤の鑑別を評価し、特定のレントゲン所見に何らかの相関があるかどうかを決定することである。CTで縦隔および/または肺の腫瘤が同定された75頭の犬と猫の胸部レントゲンを再調査した。レントゲン検査は、匿名化してランダム化され、3人の評価者が2回評価した。評価者はそれぞれの腫瘤の期限を、縦隔、肺、またはその両方に分類した。2回目のの評価では、各腫瘤について21の異なるレントゲン所見の有無について記録した。腫瘤の起源についてのレントゲンとCTの分類の一致率と、同様に観察者間および観察者内の一致率について算出した。レントゲンとCTの全体の一致率は、縦隔腫瘤(68.6%)および肺腫瘤(63%)の両方で中程度であった。全体で、観察者間の一致率は中程度(κ=0.50-0.74)であり、観察者内の一致率(κ=0.58-0.93)は高かった。縦隔内の腫瘤は、他の縦隔内構造物を変位させる可能性が有意に高かった。また、正中よりも側方の腫瘤と尾側胸郭内の腫瘤は、有意に肺起源と正の相関を示した。この研究の結果は、縦隔腫瘤と肺腫瘤のレントゲン検査による鑑別の限界を強調しており、腫瘤の位置を縦隔構造物の変位が精度の向上に役立つ可能性のあるレントゲン所見であることを示している。