Marconato, Laura, et al.
"Outcome comparison between radiation therapy and surgery as primary treatment for dogs with periarticular histiocytic sarcoma: an Italian Society of Veterinary Oncology study." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).

PubMedリンク PMID:32396662
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タイトル:関節周囲の組織球性肉腫のある犬に対する一次治療としての放射線治療と手術に関する転帰の比較;イタリア獣医腫瘍学会の研究

==アブストラクト=== 
四肢の大きな関節の周囲組織には、原発病変として局所的な組織球性肉腫が発生することがある。原発病変に対する治療オプションには、根治的な外科的切除、放射線治療、またはその両方と、潜在的な全身転移に対する化学療法の組み合わせがある。関節周囲の組織球性肉腫に対する外科的vs非外科的アプローチ後の、進行までの期間をよりよく特徴付けるために、ヨーロッパにおける現在の罹患した犬について回顧的に調査した。

新たに関節周囲組織球性肉腫と診断されて手術(主に断脚)または放射線治療とその後の全身化学療法を行なった症例について医療記録を照会した。犬49頭中、34頭が放射線治療を行い、15頭が手術を行なった。すべての犬が補助化学療法をうけた。両グループの間で、進行までの期間または全生存期間に統計的に有意な差はなかった。手術をした犬の進行までの期間の中央値は336日であり、放射線治療を行なった犬では217日であった(p=0.117)。
手術をした犬の全生存期間の中央値は398日であり、放射線治療を行なった犬では240日であった(p=0.142)。多変量解析において、腫瘍の進行および腫瘍関連死のリスクの増加と有意に関連した項目には、来院時の領域リンパ節転移および遠隔転移があった。

放射線治療後の生存率および局所制御率は、根治的切除に匹敵する可能性がある。これらのデータは、集学的ケアの提供者と飼い主との間で共有される意思決定プロセスをより良いものにする可能性がある。