Orlandi, Rocio, Cornel G. Vasilache, and Isidro Mateo.
"Palliative ventriculoperitoneal shunting in dogs with obstructive hydrocephalus caused by tumors affecting the third ventricle." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:32472726
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タイトル
:第三脳室に影響を与える腫瘍に罹患による閉塞性水頭症の犬における緩和的脳室腹腔シャント

==アブストラクト=== 
背景
:第三脳室に影響を与える腫瘍のある犬において脳圧亢進性または閉塞性の水頭症は一般的な合併症であり、いくつかの治療オプションが利用可能である。

目的
:第三脳室の腫瘍によって起こった閉塞性水頭症があり、脳室腹腔シャント(VPシャント)を用いて緩和的に治療した犬4頭における、シグナルメント、神経学的状態、術前・術前の所見、合併症について記述すること。

動物
; 第三脳室の腫瘍によって起こった閉塞性水頭症のある家庭飼育犬4頭。

方法
:第三脳室の腫瘍と診断された犬の医療記録を再調査した。組み入れ基準は、完全な医療記録、レビューできる高度画像診断、単一の外科治療としてVPシャント、とした。

 
結果:診断時、すべての患者は急性発症で急速に進行するびまん性の頭蓋内臨床徴候を示した。高度画像診断では、すべての犬で第三脳室を占拠または圧排する均一に増強される腫瘤と閉塞性水頭症がみられた。すべての犬で、最も拡張した側脳室に対してVPシャントが実施された。患者のうち2頭で、VPシャント設置後の頭蓋内圧亢進とそれに続く正常内圧が、直接頭蓋内圧モニターによって術中に確認された。すべての犬で手術直後から非常に良好な臨床徴候の観察がみられた。3頭では反対側の側脳室における2度目のVPシャントの設置が、初回手術後3,7,11ヶ月で必要となり、すべての症例で改めて臨床徴候の改善が得られた。

結論と臨床的改善
:脳室腹腔シャントは、第三脳室内にある腫瘍によって起こる閉塞性水頭症の患者にとって迅速て効果的な治療である。