Husnik, Roman, et al.
"Ultrasonographic assessment of the effect of metoclopramide, erythromycin, and exenatide on solid‐phase gastric emptying in healthy cats."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:32515089
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タイトル
健康な猫の固形相胃内容派出におけるメトクロプラミド、エリスロマイシン、エキセナチドの効果に関する超音波による評価

==アブストラクト=== 
背景:猫の消化管運動修飾薬の効果について利用できる情報は限られている。薬物の使用と投与量に関する推奨のほとんどは、臨床経験の集約的なものに基づいている。

目的:胃内容排出と胃の運動性におけるメトクロプラミド、エリスロマイシン、エキセナチドの効果を、プラセボとの比較で評価すること。メトクロプラミドとエリスロマイシンは胃運動促進効果があり、エキセナチドは胃内容排出時間を延長させ、内腔収縮の運動指数を減少させるだろうという仮説をたてた。

動物:健康な短毛家庭猫8頭。

方法:各猫には4つ分画の超音価評価を行なった。前向きランダム化二重盲検4方法クロスオーバーデザインで、最低5日のウォッシュアウト期間を設けた後に、プラセボ、メトクロプラミド、エリスロマイシン、エキセナチドの投与をうけた。超音波による胃内容排出時間と運動指数をプラセボと比較した。

結果:プラセボと比較して、胃内容排出の割合はメトクロプラミドおよびエリスロマイシンの投与後に有意に速くなった。プラセボとの比較で、エリスロマイシンの投与後には胃内容排出の全ての分画で有意な差がみられ、メトクロプラミドでは1つの分画で差がみられた。胃内容排出曲線の前半における胃内容排出率は、エキセナチド投与後に有意に遅くなった。運動指数の曲線下面積は、プラセボに比べてメトクロプラミドとエリスロマイシンの投与後に有意に大きくなった。

結論と臨床的意義
:メトクロプラミドとエリスロマイシンは胃内容排出時間を短縮させ、 内腔収縮の運動指数を増加させ、それにより健康な猫の胃運動促進効果があり、一方、エキセナチドは胃内容排出の初期遅延を引き起こす。