Lee, Ber‐In, et al.
"Safety and Efficacy of Stereotactic Body Radiation Therapy (SBRT) for the Treatment of Canine Thyroid Carcinoma." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).

PubMedリンク PMID:32515526
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タイトル
:犬の甲状腺癌の治療のための体幹部定位放射線治療の安全性と有効性

==アブストラクト=== 
犬の甲状腺癌は自然発生に発症し、診断時に手術に適しているのは25-50%だけである。切除不能腫瘍の局所制御は、外部ビーム放射線治療により供される。この回顧的研究の目的は、犬の甲状腺癌に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の安全性と有効性を記述することである。

23頭の犬が組み入れ基準を満たし、SBRT実施前の腫瘍体積の中央値は129.9m3(範囲 2.7 - 452.8)であった。16頭(70%)が切除不能腫瘍であった。SBRT実施前に10頭(44%)で肺転移の存在または疑いがあった。腫瘍体積を目標として、15-40Gyの1-5分割照射が行われた。評価をうけた20頭の患者で、全体の奏功率は70%(完全奏功 n=4、部分奏功 n=10)であった。症候性の患者16頭中13頭(81%)で臨床的な改善が得られ、その中央期間は16日(範囲 2-79日)であった。無進行期間(PFS)の中央値は315日であった。中央生存期間は362日であった。9頭(39%)でグレード1の急性放射線障害がみられた。3頭でグレード1の遅発性放射線障害(2頭で白毛症、1頭で間欠的な咳)がみられた。治療に反応した犬では無進行期間中央値が有意に長く(362日vs90日;ハザード比 4.3;95%信頼区間 1.4-13.5;p=0.013)、中央生存期間も有意に長かった
(455日vs90日;ハザード比 2.9;95%信頼区間 1-8.4;p=0.053)。転移の存在は有意な負の予後因子ではなかった(中央生存期間 転移あり347日vs転移なし 348日;p=0.053)。

SBRTは、切除不能な犬の甲状腺癌にとって安全で有効な治療法である。