Lavallée, Justin M., et al.
"Influence of clipping on bacterial contamination of canine arthrocentesis sites before and after skin preparation." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32519394
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の関節穿刺部位の皮膚準備前後の細菌汚染に対する毛刈りの影響

==アブストラクト=== 
目的:犬の関節穿刺部位の無菌的皮膚準備の一部としての被毛の除去の影響を決定し、無菌皮膚準備後に残る細菌叢の特徴を調べること。

研究デザイン:ランダム化比較試験。

研究集団:短毛のビーグル系雑種犬13頭。 

方法:1つの手根関節、肘関節、足根関節、膝関節の毛刈りをランダムに決めるためにコイントスを用いた。反対側は毛刈りを行わずに残した。すべての部位に4%クロルヘキシジンとそれに次いで70%イソプロピルアルコールによる無菌皮膚準備を行なった。無菌皮膚準備の前後にそれぞれの部位の皮膚からサンプルを採材し、好気性および嫌気性の細菌培養を行なった。 細菌培養は検査所に提出し、細菌のコロニー形成単位(CFU)と各部位で分離された細菌の種類を同定した。
 
結果:それぞれのグループ(毛刈りあり、毛刈りなし)には52部位が含まれた・無菌皮膚準備は、各グループで細菌のCFUを減少させた。犬の皮膚準備後のCFU/mlの値と、左右(p=0.07)、関節(p=0.71)、無菌皮膚準備前のCFU(p=0.94)、または毛刈り(p=0.42)の間に関連はなかった。培養された細菌の中でブドウ球菌属が最も多かった。

結論:肉眼的な皮膚疾患のない清潔な短毛犬種では、 従来の外科的毛刈りを行うのではなく、関節部位を毛刈りしないままにしても、無菌皮膚準備後に皮膚の細菌数が増加することはなかった。

臨床的意義
:この研究では、犬の関節穿刺部位で効果的な無菌皮膚準備のために毛刈りが必要であることをを支持する根拠は見つけられなかった。臨床での変化が合併症の増加と観覧するかどうかを決定するためいには前向き臨床試験が必要となる。