Iwashita, Hiroko, et al.
"Breed prevalence of canine ulcerative keratitis according to depth of corneal involvement." 
Veterinary Ophthalmology (2020).

PubMedリンク PMID:32716142
本文:無料公開なし

タイトル:犬の潰瘍性角膜炎の角膜病変の深さに応じた犬種有病率

==アブストラクト=== 
目的:角膜病変の深さに応じた犬の潰瘍性角膜炎の犬種有病率を調べること。

方法:2008年から2017年の間にトライアングル動物眼科クリニックで潰瘍性角膜炎と診断された犬をこの研究に含めた。20眼以上罹患した犬種だけを選出した。潰瘍性角膜炎の病変は、表在性(Grade1)、間質性(Grade2)、デスメ膜瘤と穿孔(Grade3)に分類し、短頭種と非短頭種の犬種で比較した。

結果
:2008年から2017年の間にトライアングル動物眼科クリニックで8877頭の犬が評価され、1018頭の1109眼が潰瘍性角膜炎と診断された。雄326眼、中性化雄253眼、雌211眼、中性化雌316眼、性別不明3眼であり、年齢は0.1-19.2歳齢(平均±標準偏差 8.33±4.24)であった。Grade1に359眼(非短頭種187、短頭種172)、Grade2に373眼(非短頭種60、短頭種313)、Grade3に377眼(非短頭種47、短頭種330)が分類された。すべてのGradeの潰瘍性角膜炎で、短頭種と非短頭種の間で有意な差が観測された。短頭種犬はGrade2と3の潰瘍性角膜炎により頻繁に罹患し、Grade1は少なかった(p<0.01)。フレンチブルドッグはGrade1の潰瘍性角膜炎に罹患しやすかった。

結論
:短頭種犬種は潰瘍性角膜炎でより深い角膜病変になりやすい。この研究は、表在性の潰瘍性角膜炎では短頭種犬種の有病率が低く、非短頭種犬種の有病率が高いという新たなデータを示している。