Pecceu, Evi, et al.
"Ultrasound is a poor predictor of early or overt liver or spleen metastasis in dogs with high‐risk mast cell tumours." 
Veterinary and comparative oncology 18.3 (2020): 389-401.

PubMedリンク PMID:31863546
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タイトル
:ハイリスクの肥満細胞腫がある犬における肝臓または脾臓の早期または明白な転移に対して、超音波検査は不十分な予測因子である

==アブストラクト=== 
 犬の肥満細胞腫のステージングにおけるルーチンな肝臓と脾臓の超音波検査とFNA細胞診の重要性については相反するエビデンスが存在する。この研究の目的は、厳密に定義されたハイリスク肥満細胞腫における超音波検査所見と細胞診所見の相関を調べ、転帰への影響を調べることである。私たちの仮説は、ハイリスク肥満細胞腫において超音波検査は内臓への転移をあまり予測できず、明白な転移に比べて早期転移は予後の改善と関連する、というものである。

 肝臓と脾臓の超音波検査を細胞診の結果と関連づけて、転移なし、早期転移、または明白な転移に分類した。82頭の犬が前向きに登録され、細胞診で18%は早期の内臓転移があり、7%に明白な転移がみられた。内臓転移のある犬の67%で領域リンパ節転移がみられた。超音波検査は転移に対して不十分な予測因子であり、感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率はそれぞれ、脾臓で67%、68%、21%、94%であり、肝臓では29%、93%、56%、82%であった。進行までの期間の中央値は、転移のない犬では中央値に達せず、早期転移のある犬で305日、明白な転移のある犬で69日であった(p<0.001)。3群における中央生存期間はそれぞれ、中央値達せず、322日、81日であった(p<0.001)。PatnaikまたはKiupelのハイグレード、早期転移、明白な転移、および十分な局所制御は、転帰と有意に関連した。

 早期の内臓転移は、転移のない犬と比較して不良な転帰と関連しているが、そのうちには長期制御を得られる犬もいた。