Moore, Antony S., et al.
"Retrospective outcome evaluation for dogs with surgically excised, solitary Kiupel high‐grade, cutaneous mast cell tumours." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).

PubMedリンク PMID:31916687
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タイトル
孤立性のKiupel高グレードの皮膚肥満細胞腫を外科的切除した犬についての回顧的な転帰評価

==アブストラクト=== 
特に高グレードの肥満細胞腫のある犬の臨床ステージで調整された公表された転帰についてはわずかである。Kiupel高グレード、臨床ステージ1の皮膚肥満細胞腫のある犬49頭の臨床転帰が評価された。中央生存期間は1046日、1年および2年生存率はそれぞれ79.3%、72.9%であった。研究終了時には24頭が死亡しており、23頭が生存し(追跡期間中央値 980日)、2頭が追跡不能になっていた。死因が判明している犬20頭中14頭における死亡は肥満細胞腫に関連したものとみなされた。9頭(18.4%)の犬で腫瘍の局所再発があり、6頭(12.2%)で領域リンパ節転移が起こり、15頭(30.1%)で新たな肥満細胞腫が発生した。腫瘍の部位、組織学的なマージンの大きさ、および化学療法の使用は中央生存期間に影響を与えず、有糸分裂数の増加(p=0.001)と腫瘍直径の増加(p=0.024)が、独立した負の予後因子であった。手術後にリンパ節転移を起こした犬6頭は、転移が起こらなかった犬42頭に比べて、中央生存期間が短かった(451日 vs 1645日 p<0.001)。私たちの研究は臨床ステージ1のKiupel高グレードの皮膚肥満細胞腫の局所の外科制御は長期生存できる可能性があり、特に小さい腫瘍で有糸分裂数が低い場合に高いことを示唆している。私たちの結果は予後評価をする際に、臨床情報と有糸分裂数が、組織学的グレードと同様に役立つことを示唆し、肥満細胞腫の犬の生存予測をする際には組織学的グレードだけに頼らないことの重要性を強調している。