Farré Mariné, Alba, et al.
"Long‐term outcome of Miniature Schnauzers with genetically confirmed demyelinating polyneuropathy: 12 cases." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32738000
本文:無料公開あり(全文

タイトル:遺伝的に確認された脱髄性多発性神経症があるミニチュア・シュナウザー の長期転帰

==アブストラクト===
背景:局所的に折り畳まれたミエリン鞘を伴う脱髄性多発性神経症(ポリニューロパチー)が、2008年にフランスで3頭のミニチュア・シュナウザー で報告され、自然発生性のシャリコー・マリー・ツース(CMT)病のイヌの同属体を表すことが予測された。MTRM13/SBF2の遺伝的変異は、多発性神経症に罹患したミニチュア・シュナウザーの原因となることが同定されている。

目的
:スペインでMTRM13/SBF2遺伝子変異が確認された罹患したミニチュア・シュナウザーにおける長期的な進行に関するデータを提供すること。

動物:2013年3月から2019年6月の間に来院したミニチュア・シュナウザー 12頭。

方法
:一貫した臨床徴候を示し、MTRM13/SBF2遺伝子変異についてホモなイヌのみを組み入れた。臨床徴候、発症年齢、来院時年齢、発症から来院までの時間、治療、転帰、および診断から最終追跡までの期間を回顧的に再調査した。

結果:来院時の特徴的な臨床徴候は、レントゲンで確認された巨大食道症を伴う逆流(11/12)と声の出ない吠え(11/12)があり、電気診断的な四肢の脱髄性多発性性神経症の所見にも関わらず神経筋虚弱はある場合とない場合があった。発症年齢は3-18ヶ月、来院時年連は4-96ヶ月であった。治療のほとんどは対照的であり、食事中の頭部挙上、制酸剤、運動促進剤、ベタネコール、シルデナフィル、ミルタザピン、またはそれらの組み合わせであった。追跡期間中(7-73ヶ月)、臨床徴候は11/12頭で変化がなく、誤嚥性肺炎がたまに発症し(6/12)、1頭ではそれが死因となった。

結論と臨床的意義
:ミニチュア・シュナウザーの脱髄性多発性神経症は長期的に安定している傾向があり、誤嚥性肺炎を管理するための予防的な食事方法と体調治療により長期的に良好な予後となる。