Rigas, K., et al.
"Mast cell tumours in dogs less than 12 months of age: a multi‐institutional retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice 61.7 (2020): 449-457.


PubMedリンク PMID:32715502
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タイトル:12ヶ月齢以下の犬の肥満細胞腫;多施設間回顧的研究

==アブストラクト===
目的:12歳齢以下の犬における肥満細胞腫の臨床病理学的特徴と遺伝的な特徴を記述すること。

方法:イギリスの3つの紹介病院で肥満細胞腫と診断された12ヶ月齢以下の犬についての回顧的研究。

結果:16頭の純血種の犬が含まれ、11頭が雌であった。最初の徴候と診断の年齢の中央値は、7.6ヶ月齢と9ヶ月齢であった。13頭で肥満細胞腫は皮膚であり、3頭では皮下であった。皮膚肥満細胞腫のうち4頭が高グレード(PatnaikまたはKiupel)であり、9頭はPatnaikグレード2(3つは有糸分裂指数>5/10hpf)であった。3頭の皮下肥満細胞腫のうち、2頭は浸潤性の増殖パターンを示し、1頭は有糸分裂指数 10/10hpfであった。検査を行った10頭中、7頭でエクソン11におけるc-kit変異があり、9頭でKi-68スコアがカットオフ値を超えていた。12頭中4頭で領域リンパ節への転移の所見がみられた。さまざまな治療の後、すべての患者は生存し、診断後の中央値として115日の無病期間が得られた。

臨床的意義
:1際以下の犬における肥満細胞腫の予後は、広範囲の治療をしなくても、成犬の場合よりも良いようだ。