Saraiva, Inês Q., and Esmeralda Delgado.
"Congenital ocular malformations in dogs and cats: 123 cases." 
Veterinary Ophthalmology.

PubMedリンク PMID:33058381
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の先天性眼奇形;123例

==アブストラクト===
目的:犬と猫の先天性眼奇形の有病率に関する疫学データを提供すること。

動物:獣医教育病院にコンサルテーションで来院した犬32,924頭と猫13,977頭の集団。

方法:2011年から2018年の医療記録をレビューした。先天性眼奇形に関する回顧的および前向きの疫学臨床研究を行った。シグナルメント、病歴、来院理由、臨床所見、視力障害、治療オプションについて分析した。

結果:すべての症例の分析から、犬103頭(0.3%)と猫20頭(0.1%)が組み入れ基準を満たした。犬の多くは雑種犬で、最も多い犬種はフレンチ・ブルドッグであり、猫の多くはヨーロッパ短毛家庭猫であった。診断年齢の中央値は、犬で12ヶ月齢、猫で6ヶ月齢であった。性差はなかった。もっとも頻繁にみられた異常は以下の通り;先天性白内障(犬31.1%、猫30.0%)、小眼球症(犬35.0%、猫25.0%)、および瞳孔膜遺残(犬27.2%、猫40.0%)。同時に観察された奇形のいくつかは、有意に関連していた。眼の類皮嚢胞とフレンチ・ブルドッグとの間には統計的に有意な相関がみられた(p<0.001)。

結論
:先天性の奇形はまれではあるが、視力障害や、または失明でさえ引き起こす可能性があるため、それらの有病率に関する知識は重要である。さらに、ヒトの眼疾患の表現型は犬と猫で現れるものと類似しているものもあるため、病態生理学および治療アプローチを調べるためのモデルとして利用できる可能性もある。