Czepiel, Tara M., and Neal T. Wasserman.
"Hypokalemia associated with topical administration of dorzolamide 2% ophthalmic solution in cats." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:
33085174
本文:無料公開なし

タイトル:猫におけるドルゾラミド2%点眼液の局所投与に関連した低カリウム血症

==アブストラクト===
目的:猫においてドルゾラミド2%点眼液が血清カリウムとその他の血液学的パラメータに与える影響を調べること。

方法:パート1)単一施設の医療記録を回顧的にレビューした。組み入れ基準は適切な臨床病理学的データにより緑内障と診断された猫とし、ドルゾラミド2%点眼液による治療を開始する前と後とでデータを利用できることした。パート2)健康な成猫を前向き二重マスクランダム化クロスオーバー試験に組み入れた。ドルゾラミド2%点眼薬またはプラセボのいずれかを両眼、1日3回、6週間投与した。血清カリウム、ナトリウム、クロール、グルコース、ALP、ALTの値を2週間ごとに評価した。2週間のウォッシュアウト期間の後に、それぞれの猫に反対の局所製剤を与え、研究プロセスを繰り返した。

結果:パート1)適合した27頭の症例のうち、低カリウム血症は29.6%(8/27頭)で発生した。中性化済みの雌では低カリウム血症の発生しやすさが有意に高かったが、血清カリウムは年齢、体重、投与頻度、治療眼の数には影響されなかった。パート2)10頭が試験に参加した。カリウム値は6週間の試験期間のいずれの時点においても、プラセボを投与された猫と比べてドルゾラミド2%点眼液の投与をうけた猫で有意に低かった。さらに2週間目と4週間目のクロール値が、プラセボ群と比較して治療群で有意に高かった。

結論
:ドルゾラミド2%点眼液の投与は、猫の血清カリウム値に測定可能な影響を与え、臨床的な低カリウム血症を引き起こす可能性がある。そのため、この薬剤の投与をうけている猫の患者ではルーチンの電解質のモニタリングが勧められる。


==訳者メモ===
ドルゾラミド含有の点眼薬
・トルソプト(0.5%または1.0%製剤あり)
・コソプト(ドルゾラミド1.0%.、チモロール0.5%を配合)