Reece, Jonjo, et al.
"Hemorrhage and complications associated with percutaneous ultrasound guided liver biopsy in dogs."
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33125175
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の経皮的超音波ガイド下肝生検に関連した出血と合併症

==アブストラクト===
背景:肝生検はしばしば肝胆道系疾患のある犬で診断を得るために必要となる。生検後の出血について懸念される。

目的:犬の経皮的超音波ガイド下肝生検後の出血の程度と合併症の発生率について記述し、出血と合併症のリスク因子について調べること。

方法:医療記録を回顧的にレビューした。ヒトのガイドラインをもとに、主要な出血を絶対値として6%以上のPCVの減少と定義した。合併症は介入を必要とする臨床的に関連のある生理学的な障害、または死亡と個別に定義した。PCVの絶対的減少、および合併症の発生の間の関連性と、当初のPCV、凝固項目、肝臓由来酵素の血清活性、血清ビリルビン濃度、生検の数、生検針のサイズ、放射線科医の経験、組織学的診断、および超音波検査変数についてを比較した。

結果:経皮的超音波ガイド下肝生検の前の血液凝固項目の異常は、ほとんどが軽度であった。成犬後のPCVの低下は87/102頭(85.3%)でみられた。PCVの絶対値の低下の平均は、-7.2%±4.5%であった。主要な出血は43/102頭(42.4%)でみられ、合併症は2/102頭(1.9%)でみられた。PCVの絶対値の低下は、成犬前のPCVと正の相関がみられた(r=0.47、p=0.004)。PCVの絶対値の低下または合併症は、いずれの検査変数とも相関がなかった。

結論と臨床的意義:正常から軽度の凝固異常のあるこの研究の犬の集団において、経皮的超音波ガイド下肝生検は、臨床的には現れない主要な出血を高い割合(42.5%)で起こすが、合併症はわずか(1.9%)である。