Morris, Jennifer L., Christopher P. Bloch, and Tamera L. Brabson.
"The effect of time on packed cell volume following packed red blood cell transfusion in anemic dogs." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2020).

PubMedリンク PMID:33118669
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タイトル:貧血の犬における濃厚赤血球輸血後のPCVに与える時間の影響

==アブストラクト===
目的:貧血の犬の濃厚赤血球を投与したあとのいくつかの時点でのPCVを比較し、これらの測定に貧血の原因や再生状態が有意な影響を与えるかどうかを評価すること。

デザイン:2016年11月から2017年10月の間の前向き観察研究。

施設:小動物救急/専門病院。

動物:貧血のある家庭飼育犬46頭であり、貧血の治療として合計で50の濃厚赤血球輸血が行われた。

介入:血液を採取し、濃厚赤血球輸血前(T0)、輸血直後(T1)、30分後(T2)、1時間後(T3)、2時間後(T4)および4時間後(T5)のPCVを得た。貧血の原因は、出血、溶血、および無効造血に分類された。犬は貧血に対する再生状態と、予想される継続的な失血または破壊の有無に関して分類された。

方法と主な結果:T0のPCVの平均は15%であった。濃厚赤血球輸血の投与後のPCVの平均は、T1で28%であり、T2、T3、T4、T5ではいずれも27%であった。輸血後の時間と共にPCVが有意な変化をすることはく(P=0.184)、時間の相互組み合わせに有意な差はなかった(ペアのT検定、すべてでp>0.05)。再生状態と持続的な失血/溶血の有無によって犬を分類した場合にも、結果は一貫していた。

結論
:ざまざまな貧血の原因をもつ犬における濃厚赤血球輸血直度から4時間後までのPCVには有意な変化はみられなかった。これらの結果は、濃厚赤血球輸血直後に得られたPCVは、輸血2時間後に得られたPCVとちょうど同じくらいの信頼性がある可能性を示唆している。これは赤血球の喪失または破壊が続くと予測させる犬についても当てはまる。