Belmudes, Audrey, et al.
"Lung lobe torsion in 15 dogs: Peripheral band sign on ultrasound." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2020).

PubMedリンク PMID:33128837
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タイトル
:肺葉捻転の犬15頭;超音波検査の辺縁バンドサイン

==アブストラクト===
犬のおける肺葉捻転の診断は通常、レントゲン検査、内視鏡検査、およびCT検査の所見をもとに行われる。超音波検査に句術についてはほどんど発表されていない。この多施設間回顧的および前向きの観察研究の目的は、超音波検査で捻転した肺葉の辺縁にバンドまたはラインを形成する低エコー領域の存在ついて調べ、CT検査と病理検査所見と比較することでその重要性を評価することである。

外科的または死後検査によって肺葉捻転と診断された犬15頭が組み入れられた。すべての犬が超音波検査とCT検査をうけ、13頭では病理組織学的検査も行われた。14頭で、胸部超音波検査で罹患した肺葉の散乱した高反射表面の領域を覆う辺縁の低エコー性のバンドが明らかとなった。CTでは、14頭で中心部の気腫が辺縁の軟部組織CT値のバンドによって覆われ、辺縁が罹患していた。肺葉全体が硬化していた1頭ではバンドが観察されなかった。病理組織検査では、肥厚した臓側胸膜±肺実質の出血性壊死によって構成される同等の辺縁バンドが得られた。この辺縁バンドは、気道と血管の特定のフラクタル組織に関連している可能性があり、これは肺の灌流と換気に重要な役割をもち、肺の末梢をより虚血にしやすくする。

私たちの所見により、超音波検査において虚脱していない肺葉における中心部の気腫に関連した辺縁の低エコーバンドの存在は、血流と気流の低下を示唆しており、それゆえ肺葉捻転を疑うべきであることを示している。