Tørnqvist‐Johnsen, C., et al.
"Investigation of the relationship between ionised and total calcium in dogs with ionised hypercalcaemia."
 
Journal of Small Animal Practice 61.4 (2020): 247-252.


PubMedリンク PMID:32043601
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タイトル:イオン化カルシウムの高カルシウム血症のある犬におけるイオン化カルシウムと総カルシウムの関連性の調査

==アブストラクト===
目的:イオン化カルシウムの高カルシウム血症(以下 イオン化高Ca血症)がある犬における総カルシウムとイオン化カルシウムの関連性を調査し、この関連性にアルブミンがどう関与しているかを評価すること。

方法:最初に健康な成犬集団を用いてイオン化Caと総Caの基準範囲を設定した。私たちの教育病院の臨床データベースを検索して2012-1017年の間のイオン化高Ca血症の成犬を同定した。この期間は健康な犬の基準範囲の設定において同じサンプルと取り扱いと解析を行った期間である。イオン化高Ca血症の集団におけるイオン化Caと総Caの濃度の間の関連性を調べた。

結果:健康な成犬351頭の生化学分析をもとに、基準範囲はイオン化Caが1.18-1.53mmol/L、総カルシウムが2.24-2.85mmol/Lと設定された。これらの基準範囲をもちいて、イオン化高Ca血症の犬63頭が同定され、そのうち23頭は総Caの高Ca血症を示していなかった。イオン化高Ca血症があり総Caは基準範囲上限以下の犬23頭中、7頭だけが低アルブミン血症であった。イオン化高Ca血症で正常総Ca血症の犬の多くが、イオン化Caの上昇が中程度であった。

臨床的意義
:総Caのみに依存した場合、イオン化高Ca血症の1/3以上が正常Caとして分類され、これらの犬の多くは血清アルブミンが正常であった。