Gagliardo, Teresa, et al.
"Clinical features of muscle cramp in 14 dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:33247617
本文:無料公開あり(全文

タイトル:筋けいれん(筋クランプ)の犬14頭の臨床的特徴

==アブストラクト===
背景:筋けいれん(筋クランプ)は持続する、不随意の、痛みを伴う筋肉の収縮であり、急性発症と短時間という特徴があり、末梢神経の過活動によって起こる。

目的:筋クランプに罹患いた犬の臨床的特陵と診断所見の詳細を述べること。

動物:犬14頭。

方法:多施設間回顧的症例シリーズ。二次診療で働く獣医神経科医に声を欠けてることで症例を集めた。医療記録と動画を検索し、筋クランプを示している犬を検索した。追跡情報は飼い主と紹介もとの獣医師への電話連絡で入手した。

結果
:罹患した肢の数と筋クランプの他の肢への移動の有無にもとづき、3つのパターンの徴候が特定された。14頭中9(64%)で、犬を移動させようとすることで筋クランプが誘発された。8/14頭(58%)では明らかな痛みがあり、6/14頭(42%)は軽度の不快感を示した。筋クランプの原因は11/14頭(79%)で低カルシウム血症であり、9頭が原発性上皮小体機能低下症、1頭が腸のリンパ腫、1頭がタンパク漏出性腸症であった。3/14頭(21%)では原因が特定されず、その3頭全てがジャーマンシェパードであった。

結論と臨床的意義
:筋クランプは3つの臨床パターンのうちの1つで現れる可能性がある。筋クランプは、犬を動くように促したときに誘発され、必ずしも痛みを伴うイベントとして現れるとは限らず、場合によっては不快感だけを示す。この研究における筋クランプの主な原因は、原発性上皮小体機能低下症に起因する低カルシウム血症であった。病因が不明な筋クランプのある犬では、特発性疾患または発作性ジスキネジアを除外することができなかった。

==本文から===
動画1リンク
低カルシウム血症の犬の強い強直性発作

動画2リンク
左前肢のこわばりと外転、右後肢の屈曲、起立不能

動画3リンク
左後肢の筋収縮から右後肢へ移動

動画4リンク
単一の肢の屈曲