Cleveland, Matthew J., and Sue Casale.
"Incidence of malignancy and outcomes for dogs undergoing splenectomy for incidentally detected nonruptured splenic nodules or masses: 105 cases (2009–2013)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 248.11 (2016): 1267-1273.


PubMedリンク PMID:
27172343
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タイトル:偶発的に検出された破裂のない脾臓結節まはた腫瘤に対して脾臓摘出術を行った犬における悪性腫瘍の有病率と転帰

==アブストラクト===
目的
偶発的に検出された破裂のない脾臓結節まはた腫瘤に対して脾臓摘出術を行った犬における悪性腫瘍の頻度と生存率を調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:家庭医飼育犬105頭。

方法:2009年から2013年の間に獣医教育病院で脾臓摘出をうけた犬の医療記録を調べ、腹腔内出血を伴わない偶発的に検出された破裂のない脾臓結節/腫瘤のある患者を同定した。組織学的な確定診断のある犬だけを組み入れた。シグナルメント、術前の診断検査、周術期の輸血、脾臓腫瘍の直径、組織学的所見、補助治療、おようび生存期間に関する情報を収集して分析した。

結果;105頭中74頭(70.5%)が良性の脾臓病変であり、31頭(29.5%)が悪性腫瘍でああり、そのうち血管肉腫(18/31[51%])が最も多かった。死亡のハザードは、術前のPCVの高さとともに減少し、悪性腫瘍の組織学的診断は死亡のハザードの増加と関連した。平均余命は良性病変の犬で436日、悪性病変の犬で110日であった。良性病変の74頭中41頭と、悪性病変の31頭中3頭が、この研究終了時に生存していた。血管肉腫の余命の中央値は132日であり、その18頭中7頭だけが化学療法をうけた。

結論と臨床的意義
:腹腔内出血と関連していない偶発的にみつかった破裂していない脾臓の結節/腫瘤は、良性であることが多かった。この結果にから、偶発的にみつかった良性または悪性の脾臓病変の余命は、過去に報告された他の研究集団のものよりも良いことが示唆された。