White, Russell S., Angela J. Sartor, and Philip J. Bergman.
"Evaluation of a staged technique of immediate decompressive and delayed surgical treatment for gastric dilatation-volvulus in dogs."
(2020): 72-79.

PubMedリンク PMID:33314975
本文:無料公開なし

タイトル:犬の胃拡張捻転症候群の即時的な減圧と遅延した外科治療の段階的手技の評価

==アブストラクト===
目的:犬の胃拡張捻転症候群(GDV)の即時的な減圧と遅延した外科治療の段階的手技を評価すること。

動物:2012年から2016年の間にGDVと診断された家庭飼育犬41頭。

方法:医療記録を収集し、シグナルメント、診断検査結果、胃内洗浄所見、手術所見、短期生存の状態について調べた。すべての犬で、口胃挿管と胃洗浄による胃の減圧が同じ麻酔で行われた。この段階がうまく行った場合に、続いて矯正手術(開腹と胃固定)が、2回目の麻酔で遅れて実施された。

結果:減圧と安定化の麻酔と同時に矯正手術を行った犬6頭では、そのうち2頭で胃の壊死があった。35頭の犬では2回目の麻酔で矯正手術が行われており、来院から手術までの平均時間は22.3時間(範囲 5.25-69.75)であり、そのうち2頭で胃の壊死があった。遅延手術の患者の死亡率は9%(3/35頭)であった。来院から手術までの時間は、術者による胃の状態の主観的評価と死亡率に関連しなかった。術中に確認された胃の壊死は、非生存と関連した。単回の血漿乳酸濃度と連続的な乳酸濃度の変化の割合は、術中の胃の状態と死亡率に関連した。

結論と臨床的意義
:遅延手術の患者で観察された死亡率は、報告されている他のGDV治療方法のものと同等であった。結果により、遅延した矯正手術は特定の犬では可能であるが、注意深い症例選択が重要となり、信頼のできる術前の患者選択基準は特定されていない。犬のGDVの治療における段階的手術と即時手術の潜在的なリスクと利益を調べるためには、さらなる調査が必要である。