Dear, Jonathan D., et al.
"Clinicopathologic and radiographic features in 33 cats with aspiration and 26 cats with bronchopneumonia (2007‐2017)." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33315286
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タイトル:誤嚥性肺炎のある猫33頭と気管支肺炎のある猫26頭の臨床病理学的およびレントゲン的な特徴

==アブストラクト===
背景:誤嚥性肺炎と気管支肺炎は、炎症性気道疾患と臨床的に類似し、猫では特徴づけが不十分な疾患である。

目的:誤嚥性肺炎のある猫と気管支肺炎のある猫の臨床病理学的、レントゲン、および微生物学的な特陵を記述し、それらの所見を炎症性気道疾患の猫と比較すること。

動物:誤嚥性肺炎のある猫33頭、気管支肺炎のある猫26頭、炎症性気道疾患のある猫44頭。

方法
:回顧的症例対象研究。全ての猫で、シグナルメント、身体検査所見、病歴の詳細、誤嚥の潜在的なリスク因子の結果を抽出した。CBC、気管支肺胞(BAL)液の分析、細菌培養を含む診断検査の結果を要約した。レントゲン検査は盲検下でレビューし、重症度をスコア化した。BAL液分析結果は細菌性炎症の根拠として評価した。

結果:誤嚥性肺炎の猫は、気管支肺炎や炎症性気道疾患の猫と比較して、咳の評価で来院することが多く(p<0.001)、低体温であることが多かった(p=0.01)。臨床徴候の期間の中央値は、気管支肺炎の猫(270日)と炎症性気道疾患の猫(180日)と比較して、誤嚥性肺炎の猫(12日)では有意に短かった(p=0.01)。レントゲンでは、気管支肺炎や炎症性気道疾患の猫に比べて、誤嚥性肺炎の猫では肺胞パターンをとることが多く、総スコアが高かった。気管支肺炎の猫のBAL液からはマイコプラズマ種が最も多く培養され、どの誤嚥性肺炎の猫からも培養はされなかった。

結論と臨床的意義
:咳のある猫では炎症性気道疾患から肺炎を鑑別すべきであり、急性発症の頻呼吸の猫では誤嚥性肺炎を考慮すべきである。