Grozdanic, Sinisa D., et al.
"Presumed cancer‐associated retinopathy (CAR) mimicking Sudden Acquired Retinal Degeneration Syndrome (SARDS) in canines." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33369040
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タイトル:犬における突発性後天性網膜変性症に似たがん関連網膜症の疑い

==アブストラクト===
目的:犬の突発性後天性網膜変性症(SARDS)に似たがん関連網膜症の疑いに関する機能的および構造的な特徴を記述し、治療結果についてを記述すること。

動物:アメリカの8つの州とカナダで、12人の眼科医にSARDSまたは免疫介在性網膜炎と診断された17頭を対象とした。死亡した7頭からの9つの眼を、マイクロアレイ、組織学、または免疫組織化学によって分析した。

方法:犬は、完全な全身検査に加えて、網膜写真、光干渉断層計(OCT)、有色光瞳孔反射検査(cPLR)、網膜電図(ERG)を含む完全な眼科検査をうけた。網膜組織の組織学的および分子学的な変化を評価するために、組織学、マイクロアレイ、免疫組織化学による分析をがん関連網膜症の網膜で行った。

結果:以前に確立されたSARDSの診断基準(平坦なERG + 赤色陰性/青色陽性のPLR)を満たした患者はいなかった。すべての患者で腫瘍が診断された;髄膜腫(24%)、肉腫(18%)、下垂体腫瘍(12%)、扁平上皮癌(12%)、ほか(34%)。診断からの中央生存期間は6ヶ月(範囲1-36)であった。最も多い全身性の異常には、タンパク尿(78%)、肝酵素の上昇(47%)、代謝性変化(PU/PD、多食)(24%)。免疫抑制療法は、治療をけた患者の44%で失明からの改善をもたらし、治療をうけた患者の61%で視覚の回復および/または維持がみられた。視覚維持期間の中央値は5ヶ月(範囲1-35)であった。

結論
:観察された変化は、免疫介在性網膜炎-がん関連網膜症の眼における免疫介在性の障害を強く示唆していた。比較的高い割合のがん関連網膜症の患者が、免疫抑制療法によく反応した。