Villedieu, Erika J., et al.
"Prevalence of pulmonary nodules suggestive of metastasis at presentation in dogs with cutaneous or subcutaneous soft tissue sarcoma." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 258.2 (2021): 179-185.


PubMedリンク PMID:33405989
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タイトル:皮膚または皮下の軟部組織肉腫の犬における転移を示唆する肺結節の来院時の有病率

==アブストラクト===
目的:皮膚または皮下の軟部組織肉腫があり、過去に関連した胸部画像診断のない犬において初回来院時に、転移を示唆する肺結節の有病率を調べること。

動物:皮膚または皮下の軟部組織肉腫のある家庭飼育犬146頭。

方法:医療記録を回顧的に検索し、2014年11月から2018年3月までの間に紹介検査で来院した際に初回の胸部画像診断を行った軟部組織肉腫の犬を同定した。患者の特徴と腫瘍の特徴に関するデータを収集した。結果と評価し、任意の項目(軟部組織肉腫のグレード、期間、病歴など)に基づいて犬を分類した。

結果
:初回の胸部画像診断はCT(131/146[89.7%])またはレントゲン(15/146[10.3%])で行われた。胸部画像診断にいて転移を疑う肺結節の有無は9頭で不確かであったが、残りの137頭では確かであり、16頭(11.7%)で結節があった(軟部組織肉腫グレード1;5/77頭[6%]、グレード2;2/36[6%]、グレード3;9/24[38%])。初回検査時にこれらの肺結節が存在するかオッズは、グレード1,2に比べてグレード2の犬で高く(オッズ比10.8)、軟部組織肉腫の期間が3ヶ月以下よりも3ヶ月以上の犬で高かった(オッズ比10.8、3.14)。

結論
:この結果により、グレード1または2の皮膚または皮下の軟部組織肉腫の犬、特に腫瘍の存在が3ヶ月以下の場合に、肺のステージングは得るもの少ない診断手技であることを示唆している。