Mehrkens, Lea R., et al.
"Experience level as a predictor of entry into the hypotympanum during feline total ear canal ablation and lateral bulla osteotomy."
 
Journal of Feline Medicine and Surgery: 2021.1098612X20983264.


PubMedリンク PMID:33438505
本文:無料公開なし

タイトル:猫の全耳道切除と外側鼓室包骨切り術中の下鼓室への到達の予測としての経験レベル

==アブストラクト===
目的:この研究仮説は以下の通りである;(1)猫の中耳の独特な解剖のために、外耳道の全切除と外側鼓室包骨切り術を行う際に下鼓室に到達する猫は100%を下回る。(2)不完全な中隔の穿孔とそれによる下鼓室への到達の失敗は、経験豊富な外科医に比べて未熟な外科医が行なった手術でより起こりやすく、それは過少認識されているかもしれない。

方法:肉眼的な耳疾患のないことがわかっている猫12頭の死体で頭部CTを行なった。未熟な外科医と経験豊富な外科医は、左または右の耳の全耳道切除/外側鼓室包骨切り術を行うようにランダムに割り付けられた。外科医はお互いの外科技術を知らされなかった。死体のCTは手術後に行われた。十分な中隔の穿孔、下鼓室への到達、および鼓室包骨切り術時の骨除去の量を、CTを用いて未熟な外科医と経験豊富な外科医の間で比較した。

結果
:未熟な外科医が下鼓室へ到達できたのは3/12手技(25%)であり、経験豊富な外科医では9/12手技(75%)であった。経験豊富な外科医は、未熟な外科医よりも骨切りが大きかった(3301mm vs 1376mm、p<0.0023)。外科医の経験にかかわらず、多くの骨切りを行なった手術で、下鼓室への到達が達成された。