Destri, A., et al.
"Value of thoracic and abdominal screening in dogs with neurological signs." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33533484
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タイトル
神経徴候のある犬における胸部および腹部スクリーニングの価値

==アブストラクト===
目的:神経徴候があるが胸部または腹部疾患に一致する臨床徴候または検査所見のない患者における臨床的に重要な胸腹部画像検査の異常の発生率を調べること。

方法:神経徴候があるが胸腹部徴候のなく、神経学的評価のための入院中に胸部または胸腹部のスクリーニングを行った犬の画像所見をレビューした。

結果:胸部の調査には206頭の犬が組み入れられた。それらのうち、8頭(3.9%)だけに臨床的に重要な所見ががあり、5頭(2.4%)だけにMRIで同定された疾患と関連した所見がみられた。腹部の調査には147頭が組み入れられた。異常は23頭(15.6%)でみつかり、8頭(5.4%)だけが臨床的に重要な病態であり、3頭(2%)のみでMRIで同定された疾患と関連した所見がみられた。超音波検査では、22頭で有益な追加情報が得られたが、そのうち重要とみなされたのは4頭(2.7%)のみであり、神経学的病態と関連したのは1頭(0.7%)のみであった。予想通り、腹部のスクリーニングでは腹部超音波検査により、レントゲン検査だけよりも多くの情報が得られたが、紹介理由に関連した、または臨床上重要であることはまれであった。

臨床的意義
:臨床的に胸部または腹部の臨床徴候のない神経学的患者における胸腹部のスクリーニングは、神経学的局在や年齢に関わらず、潜在的ではあるが治療プランを変更するような臨床的に重要な病態を同定することはまれである。