Lyberg, Maria, et al.
"Impact of equipment and handling on systolic blood pressure measurements in conscious dogs in an animal hospital environment." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
33586197
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:動物病院の環境下の意識のある犬において装置とハンドリングが収縮期血圧の測定に与える影響

==アブストラクト===
背景
:状況的高血圧と、デバイス間の差は、犬の収縮期血圧の解釈を複雑にする。

仮説/目的
:病院内の収縮機血圧の測定において、意識のある犬でオシロメトリックデバイスと測定者が収縮機血圧の測定に影響をあたえるかどうかを調べること。

動物
:慢性腎臓病がある、またはない家庭医飼育犬67頭を、2つの研究サンプルに分けた(AとB)。

方法
:横断的診断検査。Aパートでは、来院中の規定された3時点で慣らされたのちに、2種類の異なるデバイス(HDO、petMap)で犬の収縮期血圧測定を行った。パートBでは、同じ機会に、訓練をうけた最終学年の獣医学生と、飼い主だけで収縮期血圧の測定を行った。

結果:すべての犬で、HDO(p=0.12)とpetMap(p=0.67)の3時点での測定間で平均収縮期血圧に有意な差はなかった。しかし、測定時点間の個人内の平均収縮期血圧では、最大で60mmHgの差があった。petMapで得られた平均収縮期血圧は、HDOで得られたものよりも平均で14mmHg(95%信頼区間 8-20)高かく、この差は収縮期血圧が上昇するにしたがって増加した。平均収縮期血圧は、飼い主だけで得られたものよりも、訓練された学生が測定したもののほうが7mmHg(95%信頼区間 2-11)高かった。

結論と臨床的意義
:この研究の結果にゆおり、病院内のどの時点で犬の収縮期血圧を測定したかはさほど重要ではなく、説明をうけた飼い主が実施することで状況的高血圧の疑いを減らすことができるかもしれない。HDOとpetMapで測定された平均収縮期血圧の差は、臨床的に使用される血圧測定デバイスの検証の必要性を強調している。