Chocteau, Florian, et al.
"One‐year conditional survival of dogs and cats with invasive mammary carcinomas: A concept inspired from human breast cancer." 
Veterinary and comparative oncology 19.1 (2021): 140-151.


PubMedリンク PMID:
32954630
本文:無料公開あり(全文

タイトル:浸潤乳腺癌の犬と猫にの1年条件付き生存;ヒトの乳がんから触発された概念

==アブストラクト===
犬と猫の乳腺癌の予後因子、つまり診断後の患者の生存を予測する変数についてを説明する研究は多くある。しかし、がんによる早期死亡を回避した患者における生存推定はどのように展開させれば良いだろうか?ヒトの腫瘍学では、条件付き生存、つまりがん患者がすでにY年生存している場合にさらにX年生存する確率を使用して、長期的な視点でがんの転帰を分析する。

このコホートでは、ステージ1〜3の乳腺癌を外科的に切除し、最低2年のフォローアップを行った犬344頭と猫342頭が含まれ、1年条件付き生存、すなわち1年間生存した患者がその後の年に生存またはがんで死亡する確率を計算した。1年条件付き生存確率は、浸潤性乳腺癌の診断時に犬で59%、猫で48%であり、1年生存した犬は80%、猫で52%であり、これらから1年生存した犬は比較的に腫瘍関連しから免れており、一方で猫の乳腺腺癌は長期間、生命を脅かすがんであることが示唆された。生存する犬と猫に関連する最も重要なパラメータの中で、リンパ節のステージとリンパ管内への浸潤、それと同様に犬における年齢、腫瘍ステージ、およびマージンの状態があった。対照的に、腫瘍の大きさと組織学的グレードは、生存した犬と猫における条件付き生存の確率を有意に変化させなかった。

条件付き生存は、腫瘍生存者の転帰の確率を推定するために臨床獣医師にとって非常に興味深いツールとみなすことができるかもしれない。