Cudney, Sarah E., Annie S. Wayne, and Elizabeth A. Rozanski.
"Diagnostic utility of abdominal ultrasonography for evaluation of dogs with nontraumatic hemoabdomen: 94 cases (2014–2017)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 258.3 (2021): 290-294.


PubMedリンク PMID:33496618
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タイトル:非外傷性の腹腔内出血の犬の評価における腹部超音波検査の診断的有用性;94症例(2014-2017)

==アブストラクト===
目的:非外傷性の腹腔内出血の犬において肉眼的に明らかな腫瘤を検出するための腹部超音波検査の有用性を評価すること。

動物:家庭飼育犬94頭。

方法:2014-2017年の電子医療記録を検索し、非外傷性の腹腔内出血があり、画像診断医による腹部超音波検査と手術または剖検で肉眼的な評価が行われた犬を同定した。超音波検査、手術、およに組織学的な所見をレビューし、記述統計を行った。肉眼的な腫瘤を検出するための腹部超音波検査の感度を算出した。

結果:腹部超音波検査と外科または剖検所見の差は、94頭中51頭(54%)の犬でみられた。脾臓腫瘤が、腹腔内出血の原因として最も多くみられた。腫瘤に対する腹部超音波検査の感度は、脾臓で87.4%、肝臓で37.3%、腸間膜で31.3%であった。5頭では肉眼的評価でみつかった病変よりも多くの病変が腹部超音波検査で同定され、腹膜びまん性結節転移がある犬6頭中、腹部超音波検査で検出された病変はなかった。

結論と臨床的意義
:このサンプル集団の犬では、非外傷性腹腔内出血の犬の肉眼的な病変の検出における腹部超音波検査の有用性は限定的であり、脾臓腫瘤の検出において感度が最も高く、びまん性結節転移の検出において感度が最も低かった。