Weingart, C., A. Hartmann, and B. Kohn.
"Chocolate ingestion in 156 dogs."
 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33788297
本文:無料公開あり(全文

タイトル:チョコレート摂取の犬156頭

==アブストラクト===
目的:チョコレート摂取後の犬の臨床的特徴と転帰について記述すること。

方法:チョコレートを摂取した犬156頭の臨床徴候、臨床病理学的所見、治療、および転帰についての回顧的な評価。メチルキサンチン(テオブロミン、カフェイン)の濃度は、チョコレートの種類と摂取量に基づいて計算した。

結果:112頭の犬は臨床徴候はなかった。44頭の犬でチョコレート中毒の臨床徴候があった。44頭中28頭がダークチョコレートおよびビターチョコレートを摂取していた。来院理由は、興奮(33)、振戦(22)、嘔吐(21)、喘ぎ(11)、多飲多尿(7)、および下痢(2)であった。一般的な臨床所見には、洞性頻脈(28)、頻呼吸/パンティング(14)、高体温(10)、および脱水(7)があった。44頭中34頭における臨床病理学的所見には、高乳酸血症(23)、低カリウム血症(16)、軽度の高血糖(16)、およびALTおよびASTの軽度上昇(14)がみられた。除染(アポモルヒネ、活性炭)と対症治療(輸液療法、エスモロール、利尿、鎮静)を行い、44頭中43頭が生存した。

臨床的意義
:チョコレート摂取の可能性のある犬では、チョコレートの種類と量、および摂取した時間が重要な因子である。心血管、神経、および消化器の徴候がもっとも多い臨床徴候であった。この症例シリーズでは、除染と対症治療を行ったあとの予後は良好で、死亡率は3%以下であった。