Piegols, Hunter J., et al.
"Association between biliary tree manipulation and outcome in dogs undergoing cholecystectomy for gallbladder mucocele: A multi‐institutional retrospective study."
Veterinary Surgery (2020).


PubMedリンク PMID:
33226153
本文:無料公開なし

タイトル:胆嚢粘液嚢腫のために胆嚢摘出をおこなった犬における胆道系の操作と転帰との関連;多施設回顧的研究

==アブストラクト===
目的:総胆管へのカテーテル挿入が胆嚢粘液嚢腫で胆嚢摘出を行った犬における転帰と関連しているかどうかを調べ、この関連がカテーテル挿入の方法によって変わるかどうかを調べること。

研究デザイン:多施設回顧的コホート研究。

動物:胆嚢粘液嚢腫で胆嚢摘出術をうけた犬252頭。

方法:獣医教育病院の電子医療記録を調べて犬を特定した。ベースラインの犬の特性、手術所見、順行性vs逆行性の総胆管カテーテル挿入、術中の結果、および術後の結果、合併症について記録した。カテーテル挿入を行った犬と行わなかった犬とで、各項目を比較した。

結果:カテーテル挿入を行った犬じゃASAスコアが高く(p=0.04)、総ビリルビン値が高く(p=0.01)、手術時点で総胆管が拡張していることが多かった(p<0.01)。術中の重篤/軽度な合併症の発生は、2つのグループ間で類似していた。手術時間は、カテーテル挿入群の方が長かった(p=0.01)。全体の術後合併症の発生は、グループ間で類似していたが、術後膵炎は総胆管カテーテル法の実施と関連していた(p=0.01)。この関連は、ベースラインでのグループ間の差についての多変量モデルにおいても独立した関連があった(p=0.04)。術後膵炎の起こしやすさは、順行性カテーテルと逆行性カテーテル群で差はなかった(p=57)。

結論:総胆管のカテーテル挿入は術後膵炎の発症と関連していた。これはカテーテルの挿入方法には影響されなかった。

臨床的意義
:犬の開腹下胆嚢摘出時の総胆管のカテーテル挿入の必要性は、その手技が術後の膵炎を誘発する可能性があるため、特に胆管閉塞の所見のない犬では注意して検討すべきである。