de Melo, Evelynne HM, et al.
"Effectiveness of ovariohysterectomy on feline mammary fibroepithelial hyperplasia treatment." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20950551.


PubMedリンク PMID:32812465
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タイトル:猫の乳腺線維上皮過形成の治療に対する卵巣子宮摘出術の効果

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、猫の乳腺線維上皮過形成(FMFH)の治療における卵巣子宮摘出術の効果を評価し、FMFHの治療と臨床徴候に対する以前のプロゲスチン注射の影響を調べること。

方法:2014年から2018年の間にFMFHと診断された猫79頭が組み入れられた。猫は次のように分けられた;(1)卵巣子宮的手術のみ、または卵巣子宮摘出術と抗プロゲスチン、(2)FMFHの診断前にプロゲスチンの注射なし、またはあり。FMFHの臨床徴候に関するデータ、卵巣子宮摘出術術後に残存する乳腺の成長の発生、および術後にFMFHが完全寛解するまでの期間、を記録して評価した。

結果
:この研究ではいずれの猫でも乳腺切除は行わなかった。79頭中71頭(89.9%)で卵巣子宮摘出術のみが選択され、そのうち42頭(59.2%)は過去のプロゲスチンの注射あり、29頭(40.8%)はプロゲスチンの注射なしであった。卵巣子宮摘出術+抗プロゲスチンの投与は、79頭中8頭(10.1%)で選択され、すべての猫で過去にプロゲスチンの注射が行われていた。FMFHの寛解は合計で73/79頭(92.4%)で観察され、過去にプロゲスチン注射を受けていた猫の6頭(7.6%)が死亡した。さらに過去にプロゲスチン注射を受けた猫では、卵巣子宮摘出術後に乳腺の成長が持続する割合が高く(p<0.001)、投与を受けていなかった猫にくだべて死亡率が高かった(p=0.052)。

結論と臨床的意義
:プロゲスチン注射による過去の治療は、FMFHの臨床徴候をより複雑化する可能性がある。卵巣子宮摘出術は、繁殖の意図がない場合には、FMFHの治療のよい選択肢となる。抗プロゲスチンの併用は、特に卵巣子宮摘出術後にも持続的な乳腺の成長が検出される場合に、推奨される。