Kopecny, Lucy, et al.
"Urolithiasis in dogs: Evaluation of trends in urolith composition and risk factors (2006‐2018)." 
Journal of veterinary internal medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33960543
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:犬の尿路結石症;尿路結石の組成と危険因子の傾向の評価

==アブストラクト===
背景:尿路結石症は犬によくみられ、しばしば再発を起こす問題である。

目的:犬の尿路結石の組成の傾向を評価し、危険因子として年齢、品種、性別、中性化の状態、尿路結石の位置、結石の細菌培養などを評価すること。

サンプル母集団:合計で10,444個の尿路結石と、それが得られた犬。

方法:US DavisのGerald V. Ling尿石分析所の検査データベースを検索し、2006年1月から2018年12月のあいだに提出されたすべての犬の尿路結石を調べた。ミネラルタイプ、年齢、品種、性別、中性化の状態、結石の位置、および結石の培養についてを記録した。傾向を評価し、リスク因子を調べるために項目を比較した。

結果:シュウ酸カルシウムとストラバイトを含有結石が提出された結石の大部分を占め、それぞれ47.0%と43.6%であった。シュウ酸カルシウムを含む結石は、2006年の49.6%から2018年の41.8%へ有意な減少を示したが(p=0.006)、ストラバイトを含む結石の割合に変化はなかった。シスチンを含む結石は、2006年から2018年のすべての提出された結石の2.7%を占め、時間と共に有意な非線形増加が観察された(2006年の1.4%から2018年の8.7%に増加;p<0.001)。すべてのシスチン含有結石のうち、70.3%は未去勢の雄犬から得られたものであった。尿路結石に対する年齢、品種、性別の好発傾向は、過去に同定されたものと類似していた。

結論と臨床的意義
:シュウ酸カルシウムとストラバイトを含む尿路結石は、犬の尿路結石の大部分を占め続けているものの、評価した期間内では、シュウ酸カルシウム結石の割合は減少し、シスチン結石の割合は増加した。