Fowler, Brittany L., et al.
"Effect of telmisartan, angiotensin‐converting enzyme inhibition, or both, on proteinuria and blood pressure in dogs."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33769609
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬のタンパク尿と血圧にテルミサルタン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、またはその両方が与える影響

==アブストラクト===
背景
:犬の全身性高血圧症とタンパク尿の管理における、アンギオテンシン受容体拮抗薬であるテルミサルタンの使用は、臨床現場で広く報告されていない。

目的;タンパク漏出性腎症(PLN)のある犬において、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)単独、テルミサルタン単独、またはACEiとテルミサルタンの併用が、全身性高血圧とタンパク尿に与える影響を調べること。

動物:PLNの治療を行った家庭飼育犬42頭。

方法:2012年から2018年の間の獣医教育病院で、ベナゼプリルまたはエナラプリル単独、テルミサルタン単独、またはその両方のでPLNを治療した犬の医療記録に関する回顧的観察研究。非侵襲的血圧と尿タンパク/クレアチニン比(UPC)を時間とともに両群間で比較した。多変量混合効果線形回帰モデルとそれに続く事後解析を使用して、治療群間の周辺平均と差をを推定した。

結果
:ACEi単独と比較して、ACEiとテルミサルタンの併用治療は収縮期血圧を13mmHg(95%信頼区間 4-22mmHg)と有意に低下させた(p=0.007)。ACEi単独と比較して、ACEiとテルミサルタンの併用治療ではUPCが2.5(95%信頼区間 0.6-4.4)と有意に減少した(p=0.01)。テルミサルタン単独と比較して、ACEiとテルミサルタンの併用治療ではUPCが3.8(95%信頼区間 0.8-6.8)と有意に低かった。

結論と臨床的意義
:テルミサルタンは犬の全身性高血圧症とタンパク尿の治療として使用できる。