Chalifoux, Nolan V., Sarah E. Parker, and Kevin L. Cosford.
"Prognostic indicators at presentation for canine parvoviral enteritis: 322 cases (2001‐2018)." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2021).


PubMedリンク PMID:
33792158
本文:無料公開なし

タイトル:イヌパルボウイルス性腸炎の来院時の予後因子;322症例(2001-2018)

==アブストラクト===
目的:イヌパルボウイルス性腸炎の犬の来院時の血液学検査と生化学検査の特徴をもとに、生存に関連する臨床病理学的な予後因子を調べること。二番目の目的は、シグナルメント、病歴、身体診察所見、および入院中の病気の進行、と生存との関連を調べること。

デザイン:2001年から2018年の間にイヌパルボウイルス性腸炎と診断した犬の医療記録からの回顧的研究。

施設:大学の教育病院。

動物:イヌパルボウイルス性腸炎と診断され入院治療をうけた犬322頭。

介入:なし。

方法と主な結果:入院した犬322頭中、294頭(91%)が感染を生き延び、入院期間の中央値は79時間であった。多変量解析により、来院時のグルコース(p=0.04)、総マグネシウム(p=0.011)、二分変数によるヘマトクリット値の低値(p=0.033)が、生存と有意に関連していることが示された。来院時のグルコース濃度が1mmol/L(18mg/dl)低いごとに、症例の生存オッズが1.88ずつ低下した。総マグネシウム濃度が0.1mmol/L(0.2mEq/L)高いごとに、症例の生存オッズが2.50づつ低下した。ヘマトクリットの低値がある症例は、生存オッズが10.69低かった。単変量解析では、非生存群は体重の中央値が低く(p=0.006)、下痢と示すことがが多かった(p=0.015)。入院中の1回以上の下痢(p=0.0003)および血便/メレナ(p<0.001)のエピソードは、さらには持続的な下痢(p=0.026)と入院5-6日目の食欲不振(p=0.018)は転帰と負の関連を示した。

結論
:この犬の集団では、入院治療により生存率91%を達成した。生存に影響を与える負の予後因子には、来院時のHCTの低値、血中グルコース濃度の低下、および総マグネシウム濃度の上昇があった。