Wegg, Michaela L., et al.
"A multicenter retrospective study into endogenous causes of uveitis in cats in the United Kingdom: Ninety two cases."
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:34037308
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスの猫のぶどう膜炎の内因性原因に関する多施設回顧的研究;92症例

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、イギリスの紹介患者集団における猫のぶどう膜炎の最も一般的な原因を調べ、シグナルメントをもとにした関係性を調べることである。

方法:回顧的多施設間横断研究であり、2010年から2019年の間に動物健康トラストと王室獣医大学に来院したぶどう膜と一致する臨床徴候をもつ猫を含めた。眼科検査を含む完全な身体診察、CBC、血液化学、および最低2疾患の感染症の検査を行い、臨床検査で診断がつかない(腫瘍など)猫を含めた。

結果:合計で92頭の猫が研究に組み入れられた。ぶどう膜炎を示す猫の多くがオス(66.3%)であった。最も多い内因性のぶどう膜炎の原因は、特発性ぶどう膜炎(42/92;45.7%)、FIP(15/92;16.3%)、およびリンパ腫(10/92%;10.9%)であった。フィッシャーの正確検定では、診断グループ間の品種の差が示され(p=0.002)、リンパ腫とFIPのグループでは純血種の猫が多かった。クラスカル・ウォリス検定では、診断グループ間で年齢の中央値に差があり(p<0.001)、FIPグループの猫の年齢が最も若く(中央値1.4歳齢 四分位 範囲0.4-1.8歳齢)、腫瘍(原発性または腫瘍随伴症)の猫がの年齢が最も高かった(中央値 12.8歳齢 四分位 範囲10.8-13.8)。特発性ぶどう膜炎は症例の56.1%で片側性であり、感性性の原因は症例の47.8%で片側性であった。

結論:イギリスの猫の集団における内因性ぶどう膜炎の一般的な原因は特発性ぶどう膜炎であり、ついでFIPとリンパ腫が多かった。