Kiviranta, Anna‐Mariam, et al.
"Persistent fontanelles in Chihuahuas. Part I. Distribution and clinical relevance." 
Journal of veterinary internal medicine (2021)

PubMedリンク PMID:34028887
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タイトル:チワワの泉門開存;パート1 分布と臨床的関連

==アブストラクト===
背景:チワワ犬種は頭蓋骨背側に大泉門の開存が頻繁にみられることで知られている。一般的には、この頭蓋骨欠損は臨床的な関係がない所見と考えられている。しかし、その有病率や、ほかの泉門開存と併発するかどうかについて研究されたものはない。チワワはキアリ様奇形と脊髄空洞症の素因があるが、キアリ様奇形や脊髄空洞症による臨床徴候のある犬で、泉門開存がより多いのかどうかは不明である。

仮説/目的:頭蓋骨縫合にける泉門開存の数と位置について記述し、キアリ様奇形と脊髄空洞症に関連した臨床徴候がある犬とない犬において、泉門開存の発生を比較すること。泉門開存は外側および尾側の頭蓋表面で多く発生し、頭蓋縫合の数の多さに影響を与え、キアリ様奇形と脊髄空洞症に関連した臨床徴候のある犬ではより大きいだろうという仮説を立てた。

動物
キアリ様奇形と脊髄空洞症の臨床徴候があるまたはない家庭飼育のチワワ50頭。

結果
:評価した50頭中、46頭(92%)で1つまたは複数の泉門開存がみられた。泉門開存の数の平均±標準偏差は2.8±3.0(範囲 0-13)であった。合計で138個の泉門開存118の頭蓋骨縫合を占め、57(48%)が背側、44(37%)が尾側、17(14%)が側方に位置していた。キアリ様奇形と脊髄空洞症に関連する臨床徴候のある犬では、泉門開存をもった頭蓋骨縫合が有意に多く(p≦0.001)、泉門開存の合計面積が有意に大きかった(p=0.003)。

結論と臨床的意義
:泉門開存はこの集団のチワワでとても一般的であり、頭蓋表面の背側、側方、および尾側にみられるようだ。キアリ様奇形と脊髄空洞症に関連した臨床徴候のあるチワワでは、泉門開存の数が多く、範囲が大きい。