Kennedy, Alexandra J., and Joanna D. White.
"Feline ureteral obstruction: a case-control study of risk factors (2016–2019)." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2021): 1098612X211017461.


PubMedリンク PMID:
34076537
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タイトル:猫の尿管閉塞;リスク因子についての症例対照研究(2016-2019)

==アブストラクト===
目的:猫の尿管閉塞は急性腎障害の原因となり、典型的には外科介入が必要となる。予防戦略のためには、修正可能な潜在的なリスク因子についての情報が必要である。

方法:猫の尿管閉塞に関連するリスク因子を評価するために症例対照研究を行った。症例は、以下のいずれかの猫として定義された;(1)腎盂造影によって確定された尿管閉塞(尿管結石13/18、不明5/18)または(2)腹部超音波検査による両側の尿管閉塞(尿管結石6/10、血餅3/10、膿腎症1/10)と腎盂拡張≧5mmを伴うクレアチニン濃度の上昇>140μmol/l。対照群は、病歴、身体診察、腹部超音波検査において尿管閉塞の所見のない猫と定義した。年齢、性別、品種(短毛/長毛)、食事(主にドライフード、主にウェットフード、または混合)、生活環境(屋内または混合)、および血漿総カルシウム、について尿管閉塞との関連を多変量ロジスティック回帰を用いて評価した。受信者動作特性(ROC)曲線を作成し、最終的なモデルの予測能力を評価した。

結果:合計で168頭(症例28頭、対照140頭)が組み入れられた。年齢、性別、品種、生活環境、および総カルシウムについてはいずれも尿管閉塞と有意な関連はなかったが、食事は関連があった。主にウェットフードを食べている猫に比べて、主にドライフードを食べている猫では、尿管閉塞を15.9倍起こしやすかった(95%信頼区間 2.9-295;p=0.009)。混合食を食べている猫と、主にウェットフードを食べている猫の間には、食事と尿管閉塞の関連についての差はなかった(p=0.25)。ROC下面積は72%であった。

結論
:食事組成の変更は、尿管閉塞のリスクを減らすためのシンプルで経済的な方法である。