Longo, Sara, et al.
"Association of magnetic resonance assessed disc degeneration and late clinical recurrence in dogs treated surgically for thoracolumbar intervertebral disc extrusions."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine 35.1 (2021): 378-387.


PubMedリンク PMID:
33283382
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タイトル:胸腰部椎間板突出を外科的に治療した犬におけるMRI評価の椎間板変性と遅発的な臨床的再発との関連

==アブストラクト===
背景:椎間板の石灰化のレントゲン所見は、将来的な椎間板突出(ハンセンⅠ型)の再発部位を示していると考えられているが、MRIでの椎間板変性の所見と、将来的な臨床徴候を伴う椎間板突出の再発の関連については調べられていない。

目的:急性の胸腰部椎間板突出で来院して片側椎弓切除のみで治療された犬における、MRIで評価した胸腰部椎間板の変性と、遅発性の臨床徴候の再発の間の関連について調べること。

動物:2009年から2014年の間に2つの紹介病院に来院した家庭飼育犬92頭。

方法:回顧的解析により、急性の椎間板突出で片側椎弓切除を行った犬における、胸腰部椎間板突出に一致する臨床徴候と椎間板変性を示すMRI所見との関連を調べた。単変量および多変量コックス回帰分析を行い、臨床徴候の再発と、初回診断時のT10-L3椎間板の特徴の関連を明らかにした。

結果:92頭が組み入れられ、そのうち42頭がダックスフントであり、年齢の中央値は5.3歳齢であった。臨床徴候の再発は33/92頭(36%)でみられた。手術時点でのT10-L3領域の椎間板の完全な変性所見は、臨床徴候の再発に対してハザード比2.92(95%信頼区間 1.37-6.20)で関連していた。

結論と臨床的意義
:私たちの結果は、胸腰部椎間板突出の犬の症例集団において、現在の症候性の椎間板に加えてMRIで確認できる椎間板の完全な変性が1つ以上あると、臨床徴候の再発が起こりやすいことを示唆している。