Manoharan, Sindumani A., and Rebecka S. Hess.
"The odds of neoplasia in dogs with and without diabetes mellitus." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2022).


PubMedリンク PMID:
35081271
本文:無料公開あり(全文

タイトル:糖尿病のある犬とない犬における腫瘍の発生オッズ

==アブストラクト===
背景:糖尿病(DM)のヒトにおける腫瘍のリスクの増加はよく知られている。しかし、犬でDMが腫瘍のリスクを増加させるかどうかは不明である。

目的:糖尿病のある犬は糖尿病のない犬に比べ、全体的に腫瘍のリスクが高いかどうか、また特定のタイプの腫瘍のリスクが高いかどうかを決定する。

対象動物:糖尿病のある犬700頭と、犬種、年齢、性別を一致させた糖尿病のない犬700頭で、同じ年に検査した。

方法:回顧的症例対象研究。条件付きロジスティック回帰を用いてオッズ比(OR)、95%信頼区間(CI)、P値を算出し、糖尿病のある犬がない犬に比べて腫瘍を発症する確率が高いかどうかを判定した。

結果:腫瘍を発症する全オッズは、糖尿病のある犬とない犬で有意差はなかった。しかし、糖尿病のある犬は、糖尿病のない犬に比べ、副腎腫瘤を発症するオッズが有意に高かった(OR, 4; 95% CI, 1.1-14.2; P = 0.03)。糖尿病を有する犬では、脾臓腫瘤を発症するオッズが(OR、1.2;95%CI、0.99-1.39)、糖尿病なしの犬と比較して高かったが、この差は有意ではなかった(P = 0.07)。

結論と臨床的重要性:糖尿病のある犬は、副腎腫瘍のリスクが高い可能性がある。このリスクを認識することにより、この生命を脅かす併存疾患の早期診断が促進される。これらの知見を確認するためには、より大規模な研究が必要である。