Taylor, Oliver, et al.
"Ultrasonography as a sensitive and specific diagnostic modality for the detection of ectopic ureters in urinary incontinent dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2022).


PubMedリンク PMID:
35064712
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タイトル:尿失禁犬における異所性尿管検出のための感度および特異的な診断手段としての超音波検査法

==アブストラクト===
超音波検査は異所性尿管が疑われる犬の診断法として広く普及しているが、その感度・特異度について詳細に検討した報告がないのが現状である。この回顧的な記述的診断精度研究の目的は、膀胱鏡検査をゴールドスタンダードとして、紹介施設に来院した失禁犬の異所性尿管の診断における超音波検査の感度と特異度を評価することである。

1つの施設に来院した尿失禁犬(n=38)のカルテをレトロスペクティブにレビューし、尿管開口部異常の有無と併存する尿路の異常について検討した。超音波検査による所見を膀胱鏡検査による所見と比較し、診断の正確性を検討した。同時発生する尿路異常の存在と異所性尿管の関係は、独立標本t検定およびMann-Whitney検定を用いて評価した。統計的有意性はP≦0.05とした。

超音波検査は,異所性尿管を有する犬を同定する際の感度93.5%,特異度100%,診断精度95%であった.個々の尿管を異所性・非異所性に分類した場合、感度は87.8%、特異度は86.7%であった。異所性尿管の犬では、超音波検査において、非罹患の犬よりも有意に多くの尿路異常が併発していた(P = 0.004)。異所性尿管は、罹患していない尿管に比べて、同側の上部尿路超音波検査の異常が有意に多く併発していた(P < 0.001)。


経験豊富な超音波検査士によって行われる超音波検査は、個々の尿管の評価のための唯一の診断手段として頼るべきではありませんが、重い鎮静、全身麻酔、および高度な画像の必要性を排除し、犬の異所性尿管のための感度と特異性の高いスクリーニング手段である。